【症例】バトミントンによる偏り：2022年6月10日｜バックボーン(BACK BONE)のブログ

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投稿日：2022/6/10

【症例】バトミントンによる偏り: 写真は当院に通うバドミントン全日本シニア強化選手さんの肩です。

長年の選手生活から、肩甲骨の位置に左右差ができています

サーブや、スマッシュ時に、
腕を上げる左側は、肩甲骨が上外に、
腕を後ろに引いて、振るための“タメ”を作る右側は、肩甲骨が外下に、
それぞれ位置ズレをおこしています

私はこの問題の原因を、バドミントンやテニスといった、片手でラケットを下→上→下に縦回転させる競技の特性にあると推測

ラケットを振りかぶる→振るまでの動作で、
ラケットの持ち手(右)を後ろ下方に一旦引きつけることで、そこから振り出すスイングの“バネ”を効かせる仕組み

反対の左腕は、右側が後ろ下から前上方向に勢いよく動くときに、
前・上から後ろ下方向に、同じ勢いで逆回転させることで、“反作用による加速”や、勢いによる“反動を吸収”するバランス機能の役割

これは競技による姿勢の偏位なので、ある程度は仕方がない('～`;

しかし、この左右差がひどくなりすぎると、肩の可動域の狭窄や、ボディバランス悪化でパフォーマンスが低下します

そのため、当院で提供した処置は、

全身のバランスを診て、姿勢の構造を崩す筋緊張をゆるめることは前提として、

スイング時に緊張しやすい筋肉を、手技施術で緩めていきます

※緑で塗りつぶした点
左側は肩甲骨を引き上げる肩甲挙筋や首の後ろ側(頭の付け根あたり)、脇下などの筋肉や筋膜を、
首の前側や、胸側の筋肉と一緒に緩めていきます

右側の腕を下に引き込むために“肋骨を下げる”筋肉、そして下→上→下に腕を振り回す筋肉などを緩めます

さらに運動療法で可動域や動作を改善

肩甲骨の動きが柔軟ならば、本来もっと右肩甲骨は内側にあるはずが、この選手は外にズレています

これは骨の動きが固かった為、“腕の筋肉だけで肩を引く”ことが癖になっていたからです

肩甲骨から腕を引くことや背骨上部(胸椎)を回すことが出来れば、腕や首の筋肉ばかりを緊張させて、肩甲骨が上向きや外向きに偏ることは抑えられるはず

そのため、左右それぞれの肩甲骨を柔軟に動かせるよう、可動域が不十分な方向を意識して鍛えます

利き手と逆のフォームで練習して、ボディバランスを崩さないようにするアスリートも近年増えています

私は、自分の思い通り動く体を鍛える、疲労した体を整えるサポートをこれからもします！