不安感は脳のどこで生まれるのか？：2024年3月2日｜プライム板橋(PRIME)のブログ

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投稿日：2024-03-02 12:15:32.0

不安感は脳のどこで生まれるのか？: こんにちは、プライム板橋です！

今回は、不安感に関する研究をご紹介します！

不安感というのは、私たちが日常的に経験する感情の一つです。
何か危険なことが起こりそうな予感や、
将来に対する不安定な気持ちなど、様々な形で現れます。

東北大学の研究チームは、
そんな不安感を引き起こす脳領域を特定することに成功しました。

その脳領域とは、手綱核（たづなかく）と呼ばれる部分です。

手綱核は、海馬の下側に位置する一対の小さな神経核で
ほぼすべての脊椎動物に見られる古い脳構造です。
手綱核は、意欲や認知機能において
重要な役割を担っております。

さらに、研究チームは、
手綱核の中の「アストロサイト」に注目し
マウスを使った実験を行いました。

アストロサイトは、脳内の情報処理や神経伝達物質の濃度調節に
関与している脳のグリア細胞の一種です。

実験では、マウスにとって不安感を引き起こす環境として
床一面にガラス玉を敷き詰めたケースを用意しました。
マウスはガラス玉を前にすると
居心地が悪く、不安を感じるようです。

この状態でマウスの脳内の神経活動を記録したところ、
手綱核のアストロサイトにおいてシータ波（5～10Hz）
の活動が増強することが示されました。
これは通常の飼育ケースにいるときには見られない活動です。

次に、手綱核をシータ波で刺激すると
ガラス玉がなくても不安感を誘発できるかどうかを
「2方明暗箱装置」で検証しました。

ケース内の半分をガラス玉を敷いた明るい部屋にし
もう半分をガラス玉のない暗い部屋にしたもので
中央から自由に行き来できます。

マウスは暗くて狭い場所を好むので、
この場合も当然、ガラス玉のない暗い部屋を好むはずです。

マウスを明るい部屋に入れた状態で実験を始めたところ
予想通り、マウスはすぐに快適な暗い部屋に移動しました。

そこでマウスが暗い部屋に入るタイミングで
手綱核にシータ波（8 Hz）の電気刺激を与えてみると…
マウスは快適なはずの暗い部屋を避けるようになり
ガラス玉のある明るい部屋に留まる時間が長くなりました。

このことから、手綱核が不安感をコントロールする脳領域であり
さらに不安感を人為的に誘発できることが確認できました。

これを踏まえてチームは、
人為的な方法で不安感を逆に抑制できないかチャレンジしました。
(続く)