発熱：2022年12月13日｜立町庵のブログ｜ホットペッパービューティー

筋膜リリースとリンパドレナージ専門【立町庵】

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投稿日：2022-12-13 08:48:37.0

発熱: 　温度を感知して応答する機能は、ヒトなどの恒温動物だけでなく，変温動物や単細胞生物に至るまで、生存にとって大変重要なものです。　
　ヒトでは、深部体温を維持するために、外部の温度を感知して，行動（着衣，運動，食物摂取など）あるいは自律（ふるえ・非ふるえ熱産生，皮膚血管反応，立毛，発汗など）などの体温調節を行います。
　このような調節は，体表面や深部組織に存在する温度受容器（transient receptor potential channel　TRPチャネル）からの情報を受けた、脳の視床下部にある、視索前野領域の神経細胞が、情報を統合して、血管や皮膚、筋肉などへ指令を出して実現されます。このTRP チャネルは、熱や寒冷を電気信号に変換する変換器で、温度は電気信号に変換されて、視床下部に伝えられています。
　ヒトは、37℃以下辺りに設定温度があり、温度受容器から視床下部に伝えられた温度情報に差があるときは、その差を解消するために、視床下部から指令が下り、着衣やふるえなどの体温調整機能がはたらくと考えられています。
　発熱は、深部体温がいつもの温度を超えて上昇する現象で、感染または様々な疾患で、最も一般的に現れる現象の一つです。
　発熱は体温の変化から、悪寒期、高体温期、解熱期の3期に分けられます。
　ウイルスなどが体内に入り込み、炎症の場が形成されると、内因性発熱物質であるサイトカイン（インターフェロン、インターロイキン1、腫瘍壊死因子など）が、様々な細胞でつくられます。これらのサイトカインは血液に入り、脳血管内皮細胞にある受容体にくっつき、プロスタグランジンE2の産生を促します。産生されたプロスタグランジンE2は脳組織の中に拡散し、やがて視床下部の視索前野領域にあるEP3という受容体にくっつき、体温調節中枢のセットポイントを上昇させます。
　通常37.0℃以下にある設定温度は、プロスタグランジンE2の産生量増加に応じて上昇します。そして、その設定温度が39℃以上になると、実際の体温はまだ低いために、寒さとして認識されます。つまり寒冷にさらされた時のように、末梢血管を収縮させ、立毛筋収縮（鳥肌）、筋のふるえ、代謝の亢進によって熱が産生され、体温が上昇します。いわゆる悪寒・戦慄ですね。
　このようにしてもたらされた悪寒・戦慄や関節の痛み、けだるさなどは、行動を制限して、体が感染と戦うために有益に働きます。
　次回に続きます。