どうする家康、どうなる江戸時代、日本15：2023年7月12日｜立町庵のブログ

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投稿日：2023-07-12 17:29:05.0

どうする家康、どうなる江戸時代、日本15: 　どうする家康では、武田勝頼の最期が描かれました。新しい勝頼像を演じた眞栄田郷敦（23）さん。その演技は常に見事であり、観るのが毎回とても楽しみでした。
　さて、家康関連コーナーです。今回は、衣食住の衣です。
　現代における衣服や下着、靴下などの繊維製品には、どの位のエネルギーが費やされているのでしょうか。大人が1年間に消費する、つまり新しく買う衣類を作るために必要なエネルギーは、80万キロカロリー、石油換算で80リットルです。この数値は、紡績や染め、織り、輸入パルプ原材料運搬燃料、化学薬品製造などのエネルギーの総合計です。　
　では、江戸時代ではどうでしょう。1年に着物を1枚作り、下着も1枚とすると、エネルギー消費は、2万キロカロリー、石油換算でわずか2リットルに過ぎません。この時代、着物は貴重品であり、新調するのは年1回。衣類はほとんどが古着でした。江戸には古着を売る組合に1,182人いたという記録があり、古着屋は1,000軒を超えていたようです。町中古着屋という状態だったでしょうね。
この古着。錦絵や幕末の写真などをみると、身なりや着こなしがとても魅力的です。今も昔も、古着をオシャレに着こなすのは粋で素敵ですね。
　着物の材料である布。当時は大変
貴重なものでしたので、浴衣が古くなると寝巻にし、さらに古くなるとオムツに、さらに古くなると雑巾にして、徹底的に再利用して、完全に使い切るというのが普通のことでした。ここでも、完全リサイクルですね。
　わが国で、新しい着物と古着との量的バランスが変わるのは、豊田佐吉が明治30年に国産動力織機を発明してからと言われ、これが、エネルギー多消費社会への第一歩だったのです。
　物が安くてふんだんに使えるのは、大変ありがたいことです。ただ、それが手放しで喜べるのは、資源やエネルギーなどが無限にある場合だけであり、この地球ではあり得ないことなのです。

石川英輔　大江戸生活事情　講談社文庫
菅野俊輔　世界を驚かせた江戸のエコ生活　青春出版社