どうする家康、どうなる江戸時代、日本17：2023年7月26日｜立町庵のブログ

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投稿日：2023-07-26 21:23:26.0

どうする家康、どうなる江戸時代、日本17: 　どうする家康では、本能寺の変が描かれました。今回も酒向芳さんによる明智光秀は非常に見事でした。特に、殺しに来たのに、信長に名前すら呼んでもらえず、何だ、おまえか、の一言。あまりにも報われなさ過ぎる光秀は、本当にかわいそうでした。
　それでは、家康関連コーナーにいきます。今回はアルコールです。
　現在の日本人は、どの位アルコールを飲んでいるのでしょう。すべてのアルコール飲料の年間消費量を人口で割ってみると、約78リットル。つまり、お年寄りから赤ちゃんまで含めて、1人当たり毎日200ミリリットルも飲んでいることになります。
　それでは、江戸時代はどの位飲んでいたのでしょうか。年間消費量を人口で割ってみると、約54リットル。つまり、1人当たり毎日80ミリリットル、現代より少ない量ですが、この時代はアルコール度数15の日本酒でした。現代は70パーセントがビールであり、アルコール含有量は日本酒の3分の1。もしかしたら、江戸時代のご先祖様は、現代よりたくさんのアルコールを摂取していたかもしれません。
　また、別の資料をみると、下戸や老人、女性、子どもなど飲酒しない人を除くと、1人3合を1日も欠かさず飲んでいたとあり、またそこには、大酒飲み大会の様子も残っています。この大会で、30歳の鯉屋利兵衛は19升を飲み、68歳の堺屋忠蔵は9升を、参加していた30人のほとんどは3升も飲んだとあります。
　一方、江戸時代中期には居酒屋が生まれます。豊島屋が豆腐田楽を焼いて提供したことが端緒となり、酒とつまみを出すスタイルが確立します。この当時、居酒屋は朝から営業することが普通でしたので、昼間から酔っぱらいがたくさんいて、喧嘩や口論が絶えませんでした。そこで、5代将軍綱
吉は、大酒禁止令を出しますが、全く効果はありませんでした。こうして、京の着倒れ、大阪の食い倒れ、江戸の飲み倒れ、という言葉が流行ったのです。
　それでは、酒の醸造にどの位のエネルギーを必要とするのかを比較してみましょう。江戸時代は、酒1リットルをつくるのに、5.5キロカロリー、石油換算で0.5ミリリットルしか使いませんでした。これに対して、現在の醸造法では、650キロカロリー、石油換算で59ミリリットルを使っているのです。
参考文献
石川英輔　大江戸えねるぎー事情　講談社文庫
石川英輔　大江戸生活事情　講談社文庫
磯田道史　江戸の備忘録　文春文庫