どうする家康、どうなる江戸時代、日本18：2023年8月2日｜立町庵のブログ

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投稿日：2023-08-02 06:30:14.0

どうする家康、どうなる江戸時代、日本18: 　録画したどうする家康をしばらく観れそうもありませんので、今日は家康関連コーナーのみです。
　江戸時代は、社会が安定したことにより、庶民はさまざまな楽しみを持つことができるようになりました。その一つが旅行です。
　3代将軍家光の時に、参勤交代が始まったことで、街道の整備が進み、インフラが充実します。そして、その参勤交代に付き従った人の道中の話が人々を魅了します。しかし、何の理由もなく、庶民が旅立つわけにはいきません。そこで、周囲を納得させる理由として、五穀豊穣や天下泰平などの信仰詣でとなります。当然ながらそれは建前。本音は観光旅行であり、宿場の飯盛り女による精進落としです。
　なかでも有名なのが、伊勢参り。1718年の記録では、正月から4月15日までに、427,500人が参宮したとあり、年間では約60万人。この他にも、大山詣や浅間神社富士登山も大変人気がありました。
　また、江戸と京都大阪を結ぶ東海道は、年間20万人が行き来しており、1日にすると5000人、1分間で12人、5秒に1人という、まさに人だらけでした。
　当然、昔は歩いての旅のみで、江戸京都間は、14泊15日。1泊2食付きで、現在の金額で12,970円。ちなみに、新幹線代とほぼ同じです。
　それでは、消費エネルギーで比べてみましょう。歩いては、1日2,000キロカロリー必要なので、15日では30,000キロカロリー、石油換算で3リットル。動物の体は、信じ難いほど効率が良く、たったこれだけで、東海道五十三次を歩き通すことができるのです。
　では、自動車ではどうでしょう。1リットル10キロメートル走るとして、京都まで500キロメートルあるので、石油換算で50リットル必要です。それが新幹線では、1時間で18,000キロワット電力消費しますが、乗車定員の1,300人を乗せるとすると、1人当たり1時間当たり14キロワット、石油換算で3.5リットルしかなりません。こうしてみると、江戸時代までは戻れない現代は、公共交通機関を利用するのがエネルギーからみると、最も良いといえますね。それにしても、新幹線は歩くのと同じくらいしかエネルギーを消費しないとは驚きです。ただ、この数値には建設などに費やしたエネルギーは含まれていません。
参考文献
石川英輔　大江戸えねるぎー事情　講談社文庫
石川英輔　大江戸生活事情　講談社文庫
磯田道史　江戸の備忘録　文春文庫
大石学　江戸のうんちく　角川文庫