どうする家康、どうなる江戸時代、日本20：2023年8月15日｜立町庵のブログ

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投稿日：2023-08-15 21:53:51.0

どうする家康、どうなる江戸時代、日本20: 　どうする家康では、城田優さん演じる森長可が初登場しました。森長可は鬼武蔵の異名をとる猛将。酒井忠次隊に襲撃された際には、自ら槍を手に応戦。声を荒らげて味方を鼓舞し、次々と兵を撃退し、躍動します。
　さて、家康関連コーナーです。今回は、園芸。
　江戸は、非常に緑の多い都市で、その緑地面積は何と40パーセント以上。まさに森の都でした。それは、武家地および寺社地が多く、立派な庭を持っていたからです。
　幕末に日本を訪れたイギリスのフォーチューンさんは、この庭や園芸について詳細に記録しています。そこには、植木や桜草、朝顔など、季節の花を売り歩く行商人が非常に多く、それを供給していたのは、染井村と巣鴨村であり、その村全体が苗樹園。それを連絡する直線道路は1.6キロメートルにもなり、創造を絶する規模である、と。ただ、実際には3分の1しか記録に残しておらず、あまりの広さに、全体を把握できなかったようです。また、サボテンやアロエなど南米の植物もあり、しかも寒い日本でも枯れずにいる、と、驚きの記録が続きます。
　世界中を回っていた専門家の度肝を抜いた江戸の園芸。なぜ、そんなに需要があったのでしょうか。その答えは、経済に圧倒的な余裕があり。あきれるくらいのんびりと暮らしていたからなのです。
　その当時の庶民が高く評価したのは、実用性から離れた、遊びの世界。その一つが園芸でした。
　また、その園芸。ブームにまでになります。1846年のカラタチバナに関する記録では、武士から町人までが栽培し、それを売って大きな利益を得るという、マネーゲームの様相を呈します。そこで、幕府は高値で売ることを禁じるほどでした。
　最後に、花1本を育てるエネルギーを比較してみます。
　江戸時代の栽培は、120キロカロリー、石油換算で12ミリリットルです。
　これに対して現在の花作りを愛知県渥美半島のデータでみると、菊390本で、100ワット電球1個を3時間55日間照射が必要です。菊1本当たりでは、100キロカロリー、石油換算で10ミリリットル。これに、肥料や薬品、設備減価償却などが加わわり、
総合計では、菊1本当たり500キロカロリー、石油換算で50ミリリットルになるようです。
　やはり、現在の栽培は、4倍エネルギーが必要なのですね。　
石川英輔　大江戸えねるぎー事情　講談社文庫
石川英輔　大江戸生活事情　講談社文庫
大石学　江戸のうんちく　角川文庫