どうする家康、どうなる江戸時代、日本23：2023年9月5日｜立町庵のブログ

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投稿日：2023-09-05 22:05:55.0

どうする家康、どうなる江戸時代、日本23: 　どうする家康では、家康を上洛させるため、秀吉の妹を人質として嫁がせる場面が演じられました。この旭役の山田真歩。その明るく個性的な演技は本当に見事であり、また家康にねぎらいの言葉をかけられる場面では、一緒に涙してしまいました。すばらしい役者さんにご登場いただき、今後の楽しみが増えました。
　それでは家康関連コーナーに行きます。今回は、紙です。　
　現代の生活では、紙製品が必須です。その紙の原料は主に、木材パルプと古紙パルプ。パルプとは様々な材料から繊維を取り出したもの。最近は、バナナパルプなどが注目されています。
　それでは、現代はどのように紙をつくっているのでしょうか。まずは、モミやユーカリ、古紙などを砕いてチップ状にして、ポリアクリルアミド樹脂などの薬品を加えて、高温蒸気熱を加えて圧縮します。これを洗い、叩き、ほぐし、水で薄め、細かい網の上に流し、圧縮して、紙になります。
　一方、江戸時代はどうだったでのしょう。11月に楮を刈り取り、75センチメートルに切り揃え、26キログラムを一束にたばね、3時間ほど蒸します。そして皮をむき、3日干し、1日水に漬け、皮をきれいに取り、よく洗い、煮て、叩き、漉き、とろろあおい根の粘液を加え、漉きます。最後に漉いた紙の水分を切り、天日で乾燥させ、完成です。
　当時、日本に訪れたシーボルト。その美しさと丈夫さに驚きます。また、その作業工程の簡便さや紙の使用量の多さにまた驚きます。この時期、西洋の作業工程は煩雑で、紙の質もあまり良くなかったのです。
　それでは、エネルギーで比較します。江戸時代は、枝を蒸す時、煮熟の時に大量の薪を使います。その熱量は、新聞紙の大きさの紙で25キロカロリー。一方、現代では、高度な工業力にもかかわらず100キロカロリーも必要なのです。
　やはり現代は、江戸時代の4倍のエネルギーを使っているのですね。　

石川英輔　大江戸えねるぎー事情　講談社文庫
菅野俊輔　世界を驚かせた頭のいい江戸のエコ生活　青春出版社