どうする家康、どうなる江戸時代、日本25：2023年9月20日｜立町庵のブログ

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投稿日：2023-09-20 21:45:19.0

どうする家康、どうなる江戸時代、日本25: 　どうする家康では、真田昌幸と石田三成との初対面の場面が描かれました。昌幸役の佐藤浩市、三成役の中村七之助、さすがの演技です。この２人とやがて対決することを考えると、この場面は大変感慨深いですし、今後どのように描かれていくのかが楽しみです。
　それでは、家康関連コーナーに行きます。今回は、鉄です。
　現代の製鉄法では、粗鋼1キログラムつくるのに、4000キロカロリー、石油換算で400ミリリットルでできます。
　ところが、江戸時代までの製鉄では、粗鋼1キログラムつくるのに、23000キロカロリー、石油換算で2300ミリリットルも必要となっていました。
　今までみてきた、紙や塩、野菜などと大きく違い、製鉄は非常に多くの木炭を必要とし、膨大なエネルギーを使っていたのです。
　もののけ姫で有名となった、中国地方に100か所以上もあった、たたら製鉄所。当時、この地の深い森林は、製鉄用木炭の原料としてほとんど消えてしまい、それと同時に、たたら製鉄所も急速に減っていきました。これは、エネルギー問題とともに環境問題でもあったのです。
　ちなみに、この時代。意外にも日本には豊富に金属資源がありました。中でも、金銀銅に到っては、資源小国どころか、輸出量の多いことが問題になっていたほどです。
　一方の鉄。国産鉄は品質が非常に良かった上に価格が安く、外国商人もヨーロッパ産の鉄を売り込もうとはしませんでした。しかも、明治初期までは、国内需要を賄える以上の、しかも上質な鉄鋼を生産していたのです。
　たたら製鉄からできる最高級品である玉鋼。日本刀の原料になることでも有名です。しかし、現在の高度に進歩した鉄鋼技術をもってしても、このク
ラスの鋼はできないのです。昔の人がどういう過程を経てこの製鉄法にたどり着いたのでしょうか。環境問題で廃れてしまいましたが、その技術は、まさに奇跡としか言いようがないものだったのです。

石川英輔　大江戸えねるぎー事情　講談社文庫