どうする家康、どうなる江戸時代、日本30：2023年11月4日｜立町庵のブログ

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投稿日：2023-11-04 07:40:41.0

どうする家康、どうなる江戸時代、日本30: 　日本の一般家庭で、部屋全体を暖めるのが普通になったのは、昭和30年代後半に石油ストーブが普及してからです。それまでの日本は、暖房技術はあまり発達せず、寒くても、火鉢に当たったり、こたつに入る程度でした。これに対して、中国や韓国の北の寒い地方では、紀元前3世紀からすでに、家全体を暖める全室暖房技術が発達していました。韓国のオンドルが有名ですね。
　日本は、中国や韓国から、文字や宗教、生活習慣などを多く取り入れてきましたが、オンドルは採用しませんでした。それは、決して経済的な問題ではなかったことは、貴族や将軍の住まいにみられないことからもわかります。
　昭和初期まで、日本の寒い地方の暖房には囲炉裏がありました。囲炉裏は、暖房機能だけでなく、やかんでお湯を沸かしたり、煮物や焼き魚もできました。また、火による照明も兼ねていましたので、家族や友人などとのコミュニケーションの場所となりました。つまり、囲炉裏は、暖房や乾燥、炊事、照明に至るまで、非常に多機能でしたので、燃料効率としては非常に高いものでした。ただ、囲炉裏は江戸の町には普及しませんでしたが、それは火事の危険性もさることながら、一番は大して寒くなかったことが、その最大要因のようです。日本は、むしろ夏の蒸し暑さが問題で、全室暖房機能を犠牲にしても、風通しの良い住宅
が必要だったの
です。オンドルは、土で作るため、とても湿りやすく、夏でも少し火を焚く必要があり、日本ではとてもできませんでした。
　エネルギーで比較してみます。木炭を使う場合、一人当たり月に10キログラムだとすると、石油換算で７リットルです。これに対して、現代は石油換算で月10リットル使用している計算になるようです。江戸時代とあまり変わらないように思いますが、江戸時代は、次々に生える雑木を、農業のような形で利用していくだけなので、その年の範囲に収まっていたようで、結果何も減らなかったのです。つまり、0キロカロリー。江戸時代の環境問題対策は本当にすごいですね。