太い鍼で刺しまくるの危ないかも？鍼の太さの適材適所：2024年11月20日｜神戸北野はり灸院のブログ

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投稿日：2024-11-20 09:44:59.0

太い鍼で刺しまくるの危ないかも？鍼の太さの適材適所: 「鍼灸の鍼は、髪の毛ぐらい細い」と、

よく言われますが、

実際のところは、

「髪の毛ぐらい細い鍼も、シャープペンの芯ぐらい太い鍼も有ります」

腰やお尻などの太い筋肉の治療には、太い鍼が必要だからです。

しかしながら、顔などの繊細な筋肉に対しては、細い鍼を使用することが、大原則となります。

また、刺さなくても、皮膚表面からのツボ押しだけで効果が得られる場合には、刺さない鍼を選択するのが賢明です。

写真は、鍼の太さの違いが分かりやすいように、髪の毛とシャープペンの芯と並べて、撮影したものです。

上から、

1～4
ツボ押し（≒筋膜リリース）に使用する、金製の刺さない鍼。

5
腰部・お尻などの太い筋肉に使用する鍼。銀製。（0.60mmぐらい）

6
肩などのやや太い筋肉に使用する鍼。銀製。（0.40mmぐらい）

7、8
腕や背中など、細めの筋肉に使用する鍼。7が金製、8が銀製。（0.20mmぐらい）

9
顔や手指など、繊細な筋肉に使用する鍼。こちらはステンレス製。金製や銀製もあります。（0.10mmぐらい）

10
シャープペンの芯。（0.50mm）

左側
髪の毛。（0.10mmぐらい）

最近、顔などに大量に太い鍼を刺す方法がバズっているようですが、筋肉の太さに対して、鍼が必要以上に太いと、神経障害が発生するリスクが高まります。

すごく太い鍼を刺すと、痛みの刺激でドーパミンなどのホルモンが大量に出るので、一時的に「ハイになる」効果や、血流の増加は発生しそうですが、それが鍼治療の本来の作用であるかというと、そうではありません。

見た目が派手な技術には、一般の方には分かりにくいリスクが、存在します。

美容業界では、ハイフ（HIFU）が流行っていましたが、色々とトラブルが発生しているようです。

鍼はそもそもリスクを伴う術式なので、施術をする部位に合わせて、適切な太さ・長さの鍼を選択する技量が求められます。

当院では、必要最低限の太さ・長さの鍼を使用することを原則としています。
鬱血症などの、特集なケースを除いて、ステンレスの鍼を使うこともありません。
金鍼・銀鍼と比較して、刺した部分の繊維が傷ついてしまう度合いが、圧倒的に高いからです。

鍼灸業界には、太い鍼をやたらと刺す手法について、

「普通に危ないよね…。」

と考える者もいることを、是非お見知り置き下さい。