なんちゃってハルキストです：2015年2月23日｜整体サロンルミエール池袋のブログ

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投稿日：2015-02-23 17:35:13.0

なんちゃってハルキストです: 私林と高橋先生の文学の共通の好みにハルキストこと村上春樹の世界があります。言うまでも無く日本を代表する作家であります。作品も多数、翻訳した作品も多く、ノーベル文学賞選考の時期には毎年話題となります。毎年毎年受賞を逃して残念なのですが、受賞を逃すほどに関心が高まり、ファンにしてみれば、いやいや本人すらも、このまま受賞しなくてもいいんじゃないのかなぐらいの勢いです。
ん　日本語が変ですか？
村上春樹の好まれる要因として、きれいな、正しい日本語を用いると言う点が挙げられます。それもそのはず、翻訳するということは日本語を正しく理解し、正しい日本語で訳すということなのですから。
私自身は正しい日本語をいかに崩し、いかに新しく、なおかつ斬新な表現を探してしまうタイプなので、村上春樹の本は基本に帰るという感覚を覚えます。
さてさて、ところで、あなたはなぜ本を読むのですか？
なぜ本を読むべき　と考えるのですか？
これは読書家や作家と呼ばれる人達にとっての命題と言えるでしょう。
面白いから？知的好奇心をくすぐられるから？
村上春樹の1Q84の中にその答えらしいものを見つけました。
主人公の天吾は作家の卵。売れっ子作家を目指しながら、かたや予備校で数学の講師をしています。実は天吾は小さい頃から算数や数学が大の得意。矛盾や妥協の無い、割り切れる世界に親しみを持ちました。同時に物語や本の世界にも興味を持ちました。
この天吾、家庭環境が芳しくなく、愛情というものに包まれること無く育ちます。物事がうまくいかないと数学の世界や物語の世界に没頭します。しかし、大人になるにつれ、数学に浸っているときの自分に現実逃避と言う形容を感じます。矛盾の無い、割り切れる世界が現実の悩みや問題の解決に役立ってないと思うようになります。
それでは物語の世界はというと、矛盾は矛盾のまま進行し、割り切った答えを提示されないまま結末を迎えたりします。しかしその物語の世界から離れ現実の世界に帰った時、様々な出来事やいざこざ、そしてそこに至る人間の感情の推移を包括的に捉えることで、すでに体験したことがあるような既視感のもとに、解決策のヒントや共鳴を得ることが出来ると感じました。
直載的にではなく、じわりじわりと養われていく人の心の機微への感性。これが本が与えてくれる贈り物なのではないでしょうか。
さすが村上春樹！（呼び捨て？）