いのうえんち第77弾　「父のぶっ飛んだ買い物」その2：2024年2月4日｜ここもむのブログ

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投稿日：2024-02-04 12:05:03.0

いのうえんち第77弾　「父のぶっ飛んだ買い物」その2: しかし、私が中学生の時の冬に大寒波が根室に来て、大雪により変電所の電線が切れるという事が起き、根室市全域が大停電になるという事が起きた。
これは、マズイ・・・
一般的なストーブならば、電気がなければ燃焼はしない。
しかし我が家は電気の使わないオイルコークスを使用するストーブだった為、寒さに凍える事は無かったのだ。
父はすぐに近所の人に我が家であれば暖を取れるので、我が家に避難するよう声をかけて周った。
我が家の10畳ほどの居間に3～4世帯の家族が来て、10人位の大人。7～8人の子供がいたと思う。
母は来た人にコーヒーを振る舞い、避難した大人たちは口々に、「こうなったら電気は役立たずだよな。」
「やはり石炭ストーブが無きゃ駄目だな」など、我が家のストーブを褒めたたえた。
父は誇らしい顔をしながら、コーヒーを飲み談笑していた。
多分気持ちが良かったのだろう。
なにせ、家族には非難されていたのだから。
雪が溶け、暖かくなると我が家には新たな問題が起きた。
今度はアリではなくワラジムシの大量発生だった。
家の周りにある石をめくってみると、気持ち悪い位大量にワラジムシが折り重なるように隠れていた。
最初はホームセンターでワラジムシ駆除の薬剤を買ってきて、家の周りに振りまいた。
だがある程度の効果はあったものの、全滅とはならないようだ。
日が落ちて、気温が下がると、ワラジムシも涼しさを求めるのか、壁やらドアやらに登ってきて、すごい量のワラジムシがベージュ色の壁を黒くする。

すると、父はどこから買ってきたのか、家庭用のガスバーナーを買ってきた。キャンプで使う様な代物ではない。
まるで兵器のような、火炎放射器のようなものを買ってきたのだ。
父はそれを使って、家の周りの壁に面して敷き詰めてある石や砂利にゴウゴウという音と共に燃やし始めた。
多分、近所からはとんでもない放火魔に見えたかもしれん。
でもその効果もあってか、ワラジムシは姿を見せなくなった。
父の勝ちである。

気になってその火炎放射器は幾らで買ったのか聞いてみた。15万くらいしたらいい。
ワラジムシに15万円である。
容赦ないぞこいつ。

つづく