耳鳴りの仕組みと鍼灸　埼玉川口の鍼灸師が解説：2025年4月26日｜川口そうぜん鍼灸院のブログ

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投稿日：2025-04-26 08:23:07.0

耳鳴りの仕組みと鍼灸　埼玉川口の鍼灸師が解説: 耳鳴りは、外部に音源がないにもかかわらず「キーン」「ジー」「ザー」といった音を感じる症状で、多くの方が悩まされています。難聴や加齢のほか、ストレス、首肩こり、自律神経の乱れなどが背景にあるケースも多く、原因がはっきりしないことも少なくありません。

近年では、耳鳴りの根本には「聴覚の異常」だけでなく、脳の過敏状態＝中枢性感作が関わっているという研究が進んでいます。

■ 中枢性耳鳴りのメカニズムとは

耳鳴りの多くは、内耳の有毛細胞の損傷や血流不良によって、脳が「本来ないはずの音」を勝手に作り出してしまうことで起こると考えられています。
これは「脱抑制理論」とも呼ばれ、脳が正常な聴覚入力を失ったときに、神経回路が過敏になり、雑音を“異常な信号”として認識してしまう状態です。

また、扁桃体や海馬などの感情や記憶を司る領域が興奮していると、耳鳴りの音をより強く、不快に感じやすくなります。これが「耳鳴りの悪循環」の原因のひとつです。

■ 鍼灸刺激による脳機能の調整

鍼灸では、耳そのものではなく、聴覚と関係する脳や自律神経系、循環系への間接的アプローチを行います。

特にストレスや睡眠障害が耳鳴りを悪化させる場合、鍼灸は交感神経優位の状態を鎮め、副交感神経優位へと導くことで、脳の興奮を和らげます。
また、血流改善によって内耳や脳幹部への酸素・栄養供給が促進され、耳鳴りの緩和につながると考えられています。

■ 鍼灸が耳鳴りに寄与する例

ストレス起因の耳鳴り
　強いストレスや不安、睡眠不足が続くことで、交感神経の興奮が高まり、耳鳴りが悪化するケースがあります。
　鍼灸は頭部や手足のツボを用いて、脳の過覚醒状態をリセットする働きを持ちます。

頚性耳鳴り（首こり由来）
　首や肩の筋緊張が聴覚神経や血流を圧迫することで耳鳴りが発生することがあります。この場合、後頭部や肩周辺の筋肉を緩める鍼治療が有効です。

■ 耳鳴りに用いられる代表的なツボ

聴宮（ちょうきゅう）：耳周辺の血流を促進
百会（ひゃくえ）：脳の興奮を落ち着かせる

耳鳴りは「音」そのものではなく、「脳が感じている状態」であることが多く、全身の調整が回復の鍵となります。
鍼灸はその自然な調整力を引き出す方法として、薬以外の選択肢を求める方に大きな可能性をもたらします。