感想その2：2018年11月30日｜ヘアーウニール(Hair Unir)のブログ

Hair Unir【ヘアーウニール】

ヘアーウニール

スマート支払いOK

スマート支払いの詳細を見る

兵庫県姫路市東延末2-84-3
JR姫路駅から徒歩15分、山電手柄駅から徒歩10分/イオンタウンすぐ

ヘアーウニール(Hair Unir)のブログ

プライベート

投稿日：2018-11-30 11:13:36.0

感想その2: 重い邦画シリーズ第２弾

『誰も知らない』

1988年に発生した《巣鴨子供置き去り事件》を題材に、是枝裕和監督が映像化した作品。
ほとんど帰ってこなくなった母親に代わり、どんどん過酷になっていく状況の中で幼い弟妹の面倒をみる長男を柳楽優弥が好演。
史上最年少でカンヌ国際映画祭の最優秀主演男優賞を受賞した。

引っ越し先の大家さんに挨拶する母親けい子と息子の明。
主人は海外出張中でほとんど母子2人しかいないと説明するが、実はけい子には他にも3人の子供がおり、それぞれスーツケースの中に隠れたりしながら引っ越してくる。
子供達はそれぞれ父親が違い、出生届も出されていないため学校にも行けず、周りにバレないようにひっそりと生活。
やがてけい子に新しい恋人が出来、同棲を始め、帰ってこなくなる。
時々送られてくる生活費。
ここから兄弟だけの誰も知らない生活が始まる。
数ヶ月後には生活費も送られてこなくなり、電気・ガス・水道も止められてしまい・・・。

先にネットで実際の事件の事を知り、この映画に興味を持っていました。
ただ個人的に是枝裕和監督作品は、本来【肯定してはいけない物・社会として存在してはいけない物・描いてはいけない物】を題材にしているイメージが強く《万引き家族然り、そして父になる然り》、敬遠してました。
今作もやはりドキュメントのように、荒んでいく子供達だけの生活を淡々と描いています。
映画の中に明確なメッセージとして、『こんな事絶対あってはいけないよね』という物は何もなく、ただいつもの生活を続けていく子供達。
時にはそこはまるで、俗世間から切り離された【子供だけの楽園】のように描かれています。
捨てられても、窮屈な生活を強いられてもお母さんが大好きで、たまに帰って来た時は凄く仲の良い家族団欒シーンがあります。
でもまたすぐに母親は出て行き、子供達だけの過酷な生活が始まる。
途中からは見るのがしんどくて早く終わって欲しいと思いながら観てました。
柳楽優弥のなんとも言えない表情と、余りにもナチュラルな演技には脱帽しますが、やっぱり僕にとってはたまに遭遇する【作ってはいけない作品】の一つでした。
うーん、重い。
自分で重いの選んだんですけどね（笑）