ゴーズ(GO’S)のブログ
プライベート
投稿日:2025-11-27 09:47:16.0
- 第三話 微かな灯り
- それから亮は、週に二度ほどジムを訪れるようになった。大げさな意気込みはない。ただ、仕事の合間にかすかに生まれる空白を埋めるように、その場所へ通った。
身体の変化はまだ目に見えるほどではない。それでも、ジムからの帰り道に感じるあの静かな温かさが、亮をここへ運び続けていた。
ある日のセッション中、トレーナーが言った。
「今日は背中を中心に動かしてみましょう。普段の姿勢にも関わるところです」
亮は鏡に映る自分を見つめ、指示に従って体を動かした。腕を引くたびに、肩甲骨の裏側で、普段使われない筋肉が目覚めるような感覚がある。重さは先週より僅かに増えただけだが、そのわずかな変化が妙に嬉しかった。
「背中が綺麗に動いていますよ。意識がすごく良いです。」
その声に、亮は胸の奥がふっと明るくなるのを感じた。
賞賛の言葉に飢えていたわけではない。それでも、誰かに“いいですね”と言われる事実が、こんなにも深く沁み込むとは思わなかった。
仕事では、体を使うことなどほとんどない。机に向かい、数字や言葉ばかりを追いかけて生きている。失敗も成功も、どれも実体を持たず、触れられず、ただ頭の中をすり抜けていく。
しかし今、亮の中には確かに「使った」という実感が残っている。
筋肉がわずかに震え、肩が温まり、呼吸が深くなる。その全てが、自分が“生きている”という証のように覚えられた。
帰り際、トレーナーがこう言った。
「また良くなりましたね。変化はゆっくりですが、確実に積み上がっています。」
亮はその言葉を反芻しながらジムを出た。
冬の夜気は冷たく、指先がかじかみそうだったが、胸の内には小さな灯りがともっているようだった。
──変化はゆっくりだが、確実。
それは、これまでの人生でほとんど耳にすることのなかった種類の言葉だった。
急かされて、比べられて、追われることでしか進めないと思い込んでいた。だがここへ来て、自分が知らない“歩き方”を、誰かがそっと教えてくれている気がした。
マンションまでの道を歩きながら、亮は背筋を伸ばしてみる。わずかに視界が高くなり、街灯の光が違って見えた。
体の変化はまだ始まりにすぎない。
けれどその始まりを、自分自身が確かに感じ取っている。
亮は静かに微笑んだ。
胸の奥の灯りが、今日も消えずに揺れている。
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