髭男と韓国　　エピソード3：2025年3月7日｜ヘアメイクスタジオアビール調布(abi‐ru)のブログ

スタッフ募集を見る

Hair Make Studio abi‐ru　調布

ヘアメイクスタジオ　アビール　チョウフ

東京都調布市布田５-１-１-１F
京王線調布駅南口　徒歩3分

ヘアメイクスタジオアビール調布(abi‐ru)のブログ

プライベート

投稿日：2025-03-07 13:41:23.0

髭男と韓国　　エピソード3: 髭男（ひげおとこ）と8人の仲間たちは、楽しみにしていた韓国旅行へと向かった。焼肉を食べ、買い物をし、K-POPの話で盛り上がる――そんな普通の旅行になるはずだった。

市場の一角で、やけに小さなおじいちゃんが、大きな白菜を抱えてプルプル震えていた。

「……重い……」

辛そうだったので、髭男は声をかけた。

「大丈夫ですか？」

「……持てない……」

「手伝いますよ。」

髭男が軽々と白菜を持ち上げると、小さなおじいちゃんは満足そうに頷き、突然こう言った。

「お礼に、いいところへ連れていく……ついてこい……」

仲間たちは顔を見合わせた。

小さなおじいちゃんは、髭男たちを古びたビルへ案内した。エレベーターのボタンを押すと、「B3」と書かれた地下の階へ向かい始めた。

「……本当に大丈夫か？」

「まぁ、せっかくだし行ってみよう。」

不安を抱えつつも、髭男たちはおじいちゃんについていった。

扉が開くと――そこには、想像を超えた光景が広がっていた。

中は妙に広く、豪華なテーブルには韓国料理がずらりと並び、人々が静かに食事をしていた。

「……？」

不思議なことに、誰も喋らない。ただ、ひたすら食べている。

「どうぞ……楽しんでいけ……」

小さなおじいちゃんは満足そうに微笑むと、自分も静かにスープをすする。

髭男たちは戸惑いつつも、せっかくなので料理を口にした。

うまい。

キムチチゲは絶妙な辛さ、サムギョプサルは肉汁たっぷり、ビビンバは香ばしく……。

だが、ふと気づいた。

「これ、いつ終わるんだ？」

周りの人々は、ずっと食べ続けている。誰一人、帰ろうとしない。

「……」

「そろそろ帰ろうか？」と誰かが言うと、小さなおじいちゃんがスッと箱を差し出した。

「これを持って帰れ……ただし、日本に着くまで開けるな……」

そして、無言でスープをすする。

髭男たちは、何かを察して足早にその場を後にした。

日本に帰る飛行機の中、仲間の一人がぼそっと言った。
「開けてみる？」
「……絶対ダメだろ。」
「でも気になるよな。」
気づけば全員が箱を見つめていた。誘惑に負け、ついに開封――
すると、中から小さなおじいちゃんの顔写真がぎっしり詰まっていた。

「……」

裏には一言、こう書かれていた。

『また来い』

～おしまい～