人種によって筋肉に差はあるのか　その2：2024年6月4日｜ルポ神保町水道橋店(repos)のブログ

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投稿日：2024-06-04 09:24:12.0

人種によって筋肉に差はあるのか　その2: 「外国人選手はもともと筋力が強い」という話を、日本人選手の口から聞くことがあります。確かに、その傾向はあるでしょう。例えば、体重100kgの日本人のボディビルダーが、除脂肪量（筋肉量）80kg を超えるのは非常に難しい。しかし同じ100kgの白人の場合、除脂肪量の壁は85～90kg ぐらいになります。日本人には最初から5kgぐらいのハンデがある。それは遺伝子のせいかもしれないし、骨格のつくりが小さいため、筋肉をつけるスペースも少ないからかもしれません。

　筋肉の質はどうでしょうか。筋線維組成に関しては、人種差はないと言われてきました。ところが最近、黒人と黄色人種では速筋線維の種類が違うという可能性が出てきました。今までなら同じ速筋にしか見えなかったのですが、速筋をつくる遺伝子に人種差があるのではないか、というところまで研究が進んでいるのです。

　速筋線維を形成しているαアクチニン3というタンパク質をつくる遺伝子には、大きく分けて二つのタイプがあります。一つは完全に正常なタンパク質をつくるタイプ。もう一つは遺伝子に突然変異が起きていて、完全なタンパク質をつくらないタイプ。現在は正常型でないと、速筋としての完全な能力は引き出されないだろうと考えられています。

　オリンピックレベルの投擲やスプリントの選手を調べると、ほぼ全員が正常型。ところが持久競技の選手には正常型もいるのですが、半数は変異型という研究結果が出ています。人種差についても調べられていて、日本人を含めたアジア人は30％が変異型。アフリカの黒人は変異型の割合が3％以下となっています。つまり、黒人の方がスプリント能力に適した速筋を持っている、と言えるかもしれません。

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