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エボルブ(Evolve)のブログ
サロンのNEWS
投稿日：2025-11-11 19:56:36.0
- 筋トレ後のタンパク質摂取は必要？タイミングの真実
- トレーニング直後にタンパク質を「すぐ摂れ」は必須なのか――この疑問に、2013年のメタ分析は明快に答える。比較したのは、運動前後1時間以内に摂取した群と、それ以外のタイミングで摂った群。見かけ上は直後の方が有利に見えるが、1日の総タンパク質量を統制すると差は消え、筋肥大の観点では「総量が同じならタイミングは決定打ではない」という結論に落ち着く。
では、なぜ“すぐ摂れ理論”が広まったのか。背景には、筋タンパク合成（MPS）の研究と、いわゆるアナボリックウィンドウの概念がある。筋トレ後は合成と分解が活性化するため、速やかな摂取で合成優位にできるという理屈だ。しかし実際の生活では、多くの人がトレ前に食事をしており、アミノ酸は数時間にわたり血中に供給され続ける。近年の知見でも、この“ウィンドウ”は想像より幅があり、分単位の厳密さは要求されない。
ここから導かれる実践知はシンプルだ。最優先は1日の総タンパク質量の確保である。体格や目標に応じた必要量を、食事と補助食品で安定して満たすことが、筋肥大の土台になる。タイミングは二の次であり、神経質に分刻みで合わせる必要はない。食事の間隔やトレーニング時刻は人それぞれで変動するため、カレンダーではなく生活リズムに合わせて“無理なく続く”設計に寄せるのが合理的だ。
それでも「どうせ飲むならトレ後に固定する」という運用は、現場では有効な打ち手になる。習慣のトリガーを動作（トレ終了）に紐づければ、意思決定の負担が減り、摂り忘れも防げる。直後に摂ること自体が効果を劇的に押し上げるわけではないが、総量確保という本丸の達成率を押し上げる“仕組み化”として働くからだ。結論として、タイミングは“便利さの最適化”、効果の中核は“総量の最適化”。この順番で設計すれば、科学と現実の両立がとれ、再現性の栄養戦略になる。
なお、直後摂取の“限定的なメリット”が想定されるのは、前の食事から時間が大きく空いたケースだ。こうした状況では“とりあえずトレ後に一杯”という運用が安心材料になる。一方で、通常どおりトレ前に食事を済ませているなら、直後に慌てる意味は薄い。焦点は常に、1日を通じて必要量を漏れなく積み上げられたかどうかにある。誤解の多いタイミング論を道具として位置づけ、目的（総量）をぶらさない。この視点さえ守れれば、今日からの補給設計は最適化できる。
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